ストレスかな、近頃ずっと悪夢を見る。
でも、今までは架空の正に夢の中の出来事だったから、覚めてしまえば、引きずることもなかった。
今日のは、昔の最も嫌な記憶のひとつだった。
小学生の頃、用務員がよく遊びに来ていた野良の犬を、スコップで殴り殺した。その死体を焼却炉で焼いた。
その犬は、誰も話しもしてくれなかった典型的いじめられっ子だった私に、唯一近くに寄って来てくれていた友達だった。
やめてやめてと、必死になって止めたけれど、私の記憶に残るのは、手押し車の上で痙攣している犬の姿。
その姿を思い出す度に、助けてあげられなくて、ごめんねと、心に付いた傷は更に深くなってゆく。
昔の学校は今よりもずっと閉鎖され、中で起こる事はなんでも許されていたが、中でも私が転校したこの学校は、市内で1、2番を争うほど荒廃していた。
全てが殺伐としていた学校だったが、生き物を生徒の前で殺すほどだったか、と今思い出しても信じられない思いだ。
夢で見たこの悪鬼のような用務員の行動は、実際に起こった事、目覚め忘れてしまう普通の夢とは逆に、記憶がフラッシュバックする。
精神的にしばらく暗闇になりそうだ。